発声の基礎
1.「声はどうやってでるの?」
私達の声はのどの奥にある声帯を息でふるわせることで声を出しています。脳の運動性言語中枢で声帯をコントロール(普通は無意識ですが)し声を出しています。唇の形や舌の形、鼻やあごの開き方でさまざまな声に変えてゆくことができるのです。
それでも私達の声の仕組みは医学的に完全に解明されていわけではありません。「奇蹟」と呼ぶにふさわしい絶妙なバランスにより、成り立っているわけです。
2. 声をだしやすい姿勢
まず、余分な力を抜いたリラックスした状態を作りましょうね。胸から上にかけては特に力が入らないように、特に肩の力を抜いておくように、気をつけましょう。
a.背筋を伸ばし
b.脚を肩幅程度に広げ、
c.両腕は脇に脱力し自然に垂らします。
d,体の重心は少しだけ前にかけ、腰に中心を感じるようにします。
e. 顔はまず、顎をひき(引きすぎず)、視線をやや上に向けます。
3. 呼吸法
歌うときはご存知のように腹式呼吸を使います。腹式呼吸は息を吐くときにはお腹をへこませながら吐き、息を吸うときにお腹を膨らませる呼吸方法です。腹式呼吸を使うことによってお腹から声を出すことができ、声量も上がり、歌声に迫力もでます。安定感のあり、響きのいい声になります。
腹式呼吸を習得すると、息を吐く感覚に重み・厚みがでてくるので、歌の歌詞にしっかりメロディが乗り感情表現が豊かになります。
2.すぐに始めてみよう次の練習方法
1.曲(歌詞)を覚える
歌詞を早く覚える方法は、最初から一気にフルコーラス全てを覚えようとはせずに、Aメロ・Bメロ・サビと部分的に、また感覚的に分けて覚えてゆくといいですね。
また、歌詞には物語のようにストーリー展開があるものが多いので、流れを意識することが大切です。「詞」の内容をよ~く感じとれるまで、読んでくださいね。
伝えたいことをしっかり把握するためにも、内容も十分に理解して歌いましょう。
何度も歌っていく内に歌詞は覚えられるということもありますが、息継ぎや音程、リズム等に意識を集中できるので、歌詞を覚えてから歌った方が、より良いでしょう。この頃は発表会や大会までもモニターがあり、歌詞を覚えなくても見て歌えますが、自分が上達したいと思うなら、歌詞は覚えましょうね。
2.真似して歌う
真似したつもりはなくても、歌ってゆくうちに歌い方が自分自身がリスペクトするアーティストのものに知らず知らずなっているということは考えられます。五木ひろしさんのファンのかたなら、歌い方も、体のパフォーマンスも似てきてしまう・・・など。
その方が個性的で歌に深みが出てくるということがあると思います。そのアーティストの響かせ方や息づかい、強弱のつけかた、真の取り方、強弱のつけかた、間の取り方、ブレスの位置、節回し等を真似てみることで見えてくることも沢山あるはずです。
それから、「自分らしい」歌い方を創り上げていきましょう。あまり、真似し過ぎて、何を歌っても、真似した歌手のままっていう方が時々いますが、それは、困った問題です(笑)
3.高音の出し方
きれいに高音域を出すには、口を閉じて鼻歌を歌うときの感覚で、鼻から声を出している感じで喉を締め付けずに喉をあけ、低い声を出しているときの感覚で、のど仏を下に引っ張っている感覚で歌うと、喉を痛めることなく高音域がでるようになります。
「高音」や「低音」の出し方は、それぞれの方がもっている音域の問題もあるので、これは、少し、練習が必要でしょうね。
4.ビブラートを使ってみよう
音が途切れず、音の揺れる幅が一定(これがビブラート)で、音の揺れる速さが一定であることが、きれいなビブラートの条件です。1秒間に6回程度揺れる感覚をつかみましょう。
5.強弱をつける
歌の強弱(よくメリハリといったりします)に変化をつけることで、歌に抑揚がうまれます。ただ坦々と歌うのではなく、歌がドラマティックに展開され、聞く人の心をつかむ歌になってゆきます。繊細な表現では、ささやくように歌われたり、心の叫びを表現するシャウト等もあるでしょう。曲なかで、数段階のレベル差を置いていくことが大切です。
ささやくように歌う、激しくシャウトするなどは、また、練習して身に着けていくことをおすすめします。表情トレーニングなども効果ありますよね。
3.自分の歌声を聞きましょう
1.録音してみる
自分の歌を冷静に聴いてみると、歌っているときとはまた違った印象をうけるものです。レコーディングでは特に良いマイクやコンプレッサー等高価な機材を使用することも多く、自分自身の声にほれぼれしてしまうという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
反対に、自分の声を好きになるのに、時間がかかるひともいます。
細部にわたりチェックし、いくつかの項目を確認し、クリアしてゆくことはとても重要な作業です。その意味でもできるだけ高性能な機材で録音することをお薦めします。(そんなに高くはありませんので、ひとつ持っていると便利です。)
しかし、マイクはひとりひとり声質との相性があるため、高価であれば良いかというとそうではなく 相性が合えば、安価なマイクでも最高のパフォーマンスを引き出す可能性があります。ご自分の声質を知る、理解する意味でも様々なマイクを試しベストチョイスを探ることも大切ですが、楽しく歌うには、そこまで徹底しなくても構いません。
2.色々な曲を歌いまくってみよう
ひとそれぞれ好みがあるように、バラードは得意でもアップテンポものになると歌えないとか、得意不得意は当然あるとは思います。逆もありますよね。
得意なものから少し違うジャンルに挑戦することで、新しい一面に気づけることもあるかと思います。また懐の深さも加わってより味わい深い歌になるでしょう。さまざまな曲を歌いまくってみましょう。演歌やポップス、シャンソンや民謡など(笑)
3.自分のキーを知る
自分のキーを知ることはとても大切です。原曲キーで歌えるように頑張ることも大切ですが、それぞれ、自分の音域の中で歌うわけですから、原曲が持っている雰囲気からかけ離れなかればキーチェンジしましょう。いろんなキーで歌ってみるなど相対的な感覚を磨いてゆきましょう。自分のキーが確認できたら、ノートなどにメモしておくといいでしょう。
4.キーを変えて練習
絶対音感を生まれもっているひとは少ないと思いますが、相対音感があればキーの変更はスムーズに行えるはずです。最初は1フレーズだけでも様々なキーで歌えるよう練習しましょう。
これは、面白い練習方法ですので、一人カラオケの時などにやってみるといいですね。